《第10話 無料の罠とハマヲの秘密》還暦リベンジャーズ始動!【第1章 秘密結社誕生】

【連載ストーリー】還暦リベンジャーズ!~お金の劣等生たちのマネーリテラシー物語~

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《第10話 無料の罠とハマヲの秘密》

人の表情はその心の状態をみごとなまでに知らせてくれる。

パッと明るくなる。みるみる曇ってくる。

暗く立ち込めていた深い霧がサッと晴れていくような・・たとえ束の間の錯覚だったとしても、そんな体験の多い生き方をしたいものである。

しかし油断してはいけません。

世の中には、そんな錯覚を利用して私たちの大切なものを奪おうとする悪人が多く存在するのです。

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しばはまFP事務所に集まった訳アリ還暦世代の男女5人。

半信半疑で参加した極秘プロジェクトの説明会が彼らにもたらしたものは、暗い霧が立ち込めているかのような未来に、明るい世界の気配を感じさせてくれるものだった。

FPハマヲ
FPハマヲ

どうやらみなさんのお顔の感じでは、悩みは解決されたようですな

サトル
サトル

はい、このプロジェクトに参加することはトータルで考えてメリットが大きいと思います。

キンタ
キンイチ

そうですね。任務・・というか、私たちがやるべきことは簡単ではありませんが、そもそも私たち自身のためのものですし。

レイコ
レイコ

しかもハマヲ先生にアドバイスをもらいながら進められるとなれば、こんな美味しい話はないですよねー。

ユウコ
ユウコ

美味しいっていう言い方はちょっと、、

FPハマヲ
FPハマヲ

いやいや、たしかにこれは美味しい話だと私も思います。しかも安心して乗れる美味しい話ですな。

ケンタロウ
ケンタロウ

美味しい話には裏がある、なんていいますけど、この話に裏は無さそうですしね。

キンタ
キンイチ

あれ?でもちょっと待ってください。この話、たしかに私たちには美味しいですが、ハマヲ先生にとってはどうなんでしょう?

サトル
サトル

あ、たしかに。大きな目的があるとはいえ、このプロジェクトっていっさいお金にならないわけですよね。

FPハマヲ
FPハマヲ

まあ、おっしゃるとおりですな。その視点は実に重要です。では良い機会ですので、無料の罠について少しお話ししましょう。

レイコ
レイコ

無料の罠?

ユウコ
ユウコ

なんだか怖い響きがありますね。

FPハマヲ
FPハマヲ

はい。これは実に恐ろしいお話です。しかし同時に、みなさんがご自分の大切な資産を守るために重要なことでもあります。

サトル
サトル

資産ですか・・、私には資産と呼べるようなものは無いですから、守るも何も・・

FPハマヲ
FPハマヲ

いやいや、サトルさんが日々一生懸命働いて得ている収入も立派な資産といえます。更に言えば、稼ぐ力を持っているサトルさん自身も資産なのです。これを人的資産といいます。

ユウコ
ユウコ

なるほど、私たち自身に価値があるということですね。そんなものまで狙われてるということですか?

キンタ
キンイチ

そうなると誰にも関係のある話ですね。

FPハマヲ
FPハマヲ

そのとおり。金融資産とか不動産とか、はっきり資産と分かるものだけでなく、私たちが必死で働いて日々生み出している資産を容赦なく抜き取っていくようなひどい話なのです。

ケンタロウ
ケンタロウ

それってまるで税金の話みたいですね。

FPハマヲ
FPハマヲ

たしかに税金も容赦なくもって行きますな。ただ、税金も社会保険料も巡り巡って私たちの暮らしを支えるものとして戻ってくるわけですから、仕方ないとも思えますが・・。

ケンタロウ
ケンタロウ

もっとがタチが悪いということですね。

FPハマヲ
FPハマヲ

はい。ご存じのとおり私たちの身の回りにはさまざまな「無料」があります。無料サンプル、無料お試し、無料相談などなど。そして皆さんは気軽にそれを利用している。

キンタ
キンイチ

そこに罠が仕掛けられていると?

ケンタロウ
ケンタロウ

わかった!ご飯おかわり無料は、私たちに糖質を多く摂らせて糖尿病にして、そして病院とか製薬会社とかを儲けさせようという罠?

ユウコ
ユウコ

ケンタロウさん、とりあえず話を聞きましょうか・・

FPハマヲ
FPハマヲ

おかわり無料が罠かどうかは別にして、そのくらい用心深くなることは悪いことではありません。世の中の仕組みについて考えることで見えてくるものもありますからな。今回の話はまさにその視点で考えていただきたい。

サトル
サトル

仕組み的な意味で言えば、「無料」の目的は広告宣伝や販売促進である場合が多いでしょうね。

キンタ
キンイチ

そうですよね。潜在顧客のリストを集めて個人情報を入手する。商品の認知度をアップして、さらに体験してもらうことで購買意欲を高めるとか。

レイコ
レイコ

あ、デパ地下のお惣菜売り場の試食とか。あれでつい買っちゃうこと多いですよね。

ユウコ
ユウコ

そうそう。しかも試食しちゃうとなんとなく買わないと悪いなーみたいな感じになっちゃいますよね。

FPハマヲ
FPハマヲ

それもこの販売手法の大きなポイントですな。

サトル
サトル

それ、返報性の原理ですね。

レイコ
レイコ

さすがサトルさん、いろんなこと知ってますね。・・で、そのヘンポー何とかって?

サトル
サトル

返報性、つまり何かしてもらったら、何かお礼をしないといけないなー、って思ってしまう人間の心理のことです。プレゼントもらったらこちらもあげないと、とか。

ケンタロウ
ケンタロウ

つまり、あの試食には実際に食べて美味しかったら買いたくなるという効果と、試食しちゃったから買わないと悪いなー、って感じさせるふたつの効果があるというわけですね。

キンタ
キンイチ

でもそういうことって罠っていうほど悪いことではないですよね。買う側もある程度は分かった上でそれに乗ってるわけだし。

FPハマヲ
FPハマヲ

そのとおりですな。今回お話ししたいのはちょっと違うタイプの無料についてなのです。

サトル
サトル

違うタイプというと?

FPハマヲ
FPハマヲ

無料相談、無理コンサル的なものがそれにあたります。

ケンタロウ
ケンタロウ

まさに今回の私たちの話ですね。

FPハマヲ
FPハマヲ

はい。ではFPの無料相談を例に話をしましょう。たとえば私が無料FP相談会を開催したとします。家計管理や節約のアドバイス。保険の見直しや年金受給に関する相談に答えます。その時はもちろん料金はいただきません。さて、私にとってのメリットはなんでしょうか?

キンタ
キンイチ

まずは個人情報でしょうね。連絡先や年齢、職業。さらにその人の収入とか支出のデータも手に入るし、悩み事なんかもわかるかもしれない。引越や保険の一括見積もりとかと同じで。

ケンタロウ
ケンタロウ

あとは集客ですね。無料相談から有料のコンサルに繋がることもあるでしょうから。デパ地下の試食と同じで。

サトル
サトル

あとPRにもなりますよね。アドバイスがちゃんとしていれば、何か困った時の相談先として覚えてもらうのにはいい機会ですし。印象いいじゃないですか、人助け的な感じで。

FPハマヲ
FPハマヲ

どれも正解ですな。ただFP無料相談の場合ひとつ大きな違いがあるのです。それは費用対効果、いわゆるコスパです。私たちFPにとっての商品、つまり顧客に売るものは家計管理や投資など、お金に関するコンサルです。ここでみなさんに質問ですが、たとえば私のコンサルを受けるとして、1月にどれくらいの金額ならお支払いになりますか?

ケンタロウ
ケンタロウ

んーん、1万円くらいですかね。

ユウコ
ユウコ

えっ?そんなに?すごーい。正直言って私なら2〜3千円かな。

レイコ
レイコ

えっ?正直言っていいですか?私、お金を払ってそういうアドバイスを受けるなんて考えられないです。だってどれくらいの効果があるかわからないじゃないですか

キンタ
キンイチ

そういわれてみれば、今回ここに来たのも無料で相談に乗ってもらえるというのが決め手だったですね。

サトル
サトル

私もです。あの時のちょっとしたアドバイスですごく勉強になったから、無料でいろいろ聞けるならって思いましたから。

ケンタロウ
ケンタロウ

そうですね。私ももっといろいろ教えてもらいたいと思いました。でもたとえば、この先は有料で、みたいなことだったら多分ここには来てませんね。

FPハマヲ
FPハマヲ

まさに今のみなさんの正直なお気持ちが世間の実態でしょう。つまり、無料の範囲で相談にはいくものの、有料となると払える金額はかなり小さくなります。ですから、無料でいくら見込み客を集めたところで、それが売り上げに結びつくことはほとんど無いのです。

レイコ
レイコ

では何のために無料で相談を受けるんですか?ボランティア精神?

ケンタロウ
ケンタロウ

メリットがないのに無料で相談に乗る・・なんだか怪しい感じがしますね。

FPハマヲ
FPハマヲ

ただより高い物はない・・と昔から言いますからな。

ユウコ
ユウコ

先生、何をおっしゃりたいかよくわからないのですが・・、確か無料の罠のお話でしたよね。

キンタ
キンイチ

つまり、FPの無料相談というのは危険だという意味でしょうか?

FPハマヲ
FPハマヲ

まわりくどい言い方になってしまって申し訳ないですが、つまりはそういう話です。

サトル
サトル

具体的にはどんなふうに危険なんでしょう?無料の範囲でアドバイスをもらうだけで終わりにすればいいだけなんじゃ・・

レイコ
レイコ

あ、サトルさん、あれですよ。返報性の原理。無料で相談に乗ってもらって申し訳ないから、ひと月3万円のコンサルに申し込むとか。

サトル
サトル

あー、なるほど‥って、それは無いでしょう。デパ地下のお惣菜とは違いますよ。

レイコ
レイコ

アハ、たしかに。

FPハマヲ
FPハマヲ

中には有料のコンサルにつながることもあるでしょう。ただごく稀なケースですからコスパ的には無理がありますな。

ユウコ
ユウコ

あれ、ケンタロウさん、さっきから何か考え込んでますけど・・。

ケンタロウ
ケンタロウ

え?ええ、ちょっと思い返していたんですけど、私いろいろな無料相談にお世話になってまして、FPさんに知り合いが多いんです。保険会社とか銀行とか。フリーの方もいますが、たしかにどなたからも有料コンサルのお誘いとか受けたことはないんですよね。

FPハマヲ
FPハマヲ

当然と言えば当然ですな。先ほど言ったように有料のコンサルを受ける方はほとんどいませんから、FPとしても初めからそんな提案はしません。ところでケンタロウさんはその無料相談の結果どうなりましたか?

ケンタロウ
ケンタロウ

ええ、それがきっかけでいくつか保険に入りましたね。銀行のFPさんからは効率のいい投資の話をいろいろ教えてもらって、今考えてるところです。

ユウコ
ユウコ

あ、もしかしてそれが無料相談の目的ですか?保険とか投資とかを勧めるのが。

サトル
サトル

もしそうだとしても、それって別に悪いことではないですよね。保険は必要なものだし、自分に合った保険を提案してもらえるわけですから。

レイコ
レイコ

私もそう思います。保険ってすごく難しくて自分じゃ決められないですよ。私も職場の人に紹介してもらった代理店の人のおすすめの保険に入ってますよ。

ユウコ
ユウコ

あれ?今度はキンイチさんが考え込んじゃってますけど大丈夫ですか?

キンタ
キンイチ

あ、ええ、実は最近、銀行からやたらと案内が来ていて。郵便とか電話とか。内容はほとんど同じで、退職金の運用の案内なんですよ。それで一度話を聞きに行こうかと考えていたところなんですが・・、これも無料の罠なのかと。

FPハマヲ
FPハマヲ

今回のテーマに沿って言えばそういうことですな。

サトル
サトル

先生、つまり先生は無料相談的なものには近づいてはいけないとおっしゃってるんですか?

FPハマヲ
FPハマヲ

もちろん、近づいたら即アウトというわけではありません。

ケンタロウ
ケンタロウ

ドアに鍵をかけられて契約書にサインするまで帰しません!みたいな?

レイコ
レイコ

あ、そんなシーン見たことあります。Vシネマ的なやつ。

ケンタロウ
ケンタロウ

哀川翔に竹内力・・

ユウコ
ユウコ

そんな物騒なお話なんですか?

FPハマヲ
FPハマヲ

いえいえ、まあそうなるともはや犯罪ですから話は簡単なんですが、この話はいたって合法的なのです。

キンタ
キンイチ

合法的な罠・・というわけですね。

FPハマヲ
FPハマヲ

はい、合法的でしかも巧妙に仕組まれています。そしてその罠には既に多くの人がかかっています。

サトル
サトル

もしかして私たちもですか?

FPハマヲ
FPハマヲ

はい、おそらく。

ユウコ
ユウコ

先生、そろそろ詳しいお話をお願いします。

ハマヲはホワイトボードに資料を映し出した。

《無料の罠・保険編》

FP無料相談から保険契約までの典型的な流れ

① 広告やイベントなどで「無料相談」の集客。

② 家族構成や家計の悩みを丁寧にヒアリング。

③ 現在の家計管理の状況や、加入している保険を確認。

④ 具体的なデータやシミュレーションを使って不安材料を提示。

⑤ 解決策として保険商品を提案。

⑥有利な条件を提示して即決を促す。

⑦ 即決しない場合は後日フォローで契約を促す。

FPハマヲ
FPハマヲ

このような流れで最終的には保険の契約を目指すのがFPのひとつの手法なわけです。

5人はそれぞれその内容について考えていた。

キンタ
キンイチ

すみませんが、正直言って私にはこれが罠だという意味が分からないですね。

レイコ
レイコ

私もです。無料でいろいろな相談に乗ってもらえて、自分に合った保険を考えてくれる。特にリスクは無いような・・

ケンタロウ
ケンタロウ

あ、わかった!手数料ですね。FPは保険に加入させればそれなりの手数料が受け取れるはずですよね・・、あれ?でもそれは保険会社が払うわけで、私たちが手数料を取られるわけじゃないのか・・。

サトル
サトル

そうですよね。そもそも保険会社のFPさんなら自社の商品を売るわけだから手数料とか関係ないでしょうし。

ケンタロウ
ケンタロウ

あ、そういえば私の知ってる保険会社の人が言ってました。給料はほとんど歩合で決まるから販売成績が悪いと悲惨なことになるって。だから保険に加入させようと必死になってるということか・・。

ユウコ
ユウコ

そうだとしても、それが私たちにとって危険だということにはならないんじゃ。だからきっと、罠っていうのは手数料と関係ないような気がするけど。

レイコ
レイコ

あー、ほんとに保険ってよくわからないですよね。保険商品自体も保険会社の仕組みも。

FPハマヲ
FPハマヲ

確かにそのとおりですな。保険商品の複雑さはかなりのものです。そしてまさにそれが、この無料相談の罠のキーポイントなのです。数ある保険商品の中でFPが積極的に勧めるものには決まったパターンがあるのです。

ハマヲは次のスライドをボードに映した。

《FPが積極的に勧める保険商品》

①終身保険 ②養老保険 ③個人年金保険

④外貨建て保険 ⑤変額保険 ⑥高額医療保険

⑦介護保険

FPハマヲ
FPハマヲ

これらの保険の共通点は手数料が高いということ。つまり売る側が儲かるということですな。

キンタ
キンイタ

つまり、私たちがよく分かっていないのをいいことに、自分の都合のいい保険を売っているということですか?

レイコ
レイコ

そんなヒドイ話って・・、あ、ケンタロウさんの入っている保険ってやはりこういうタイプなんですか?

ケンタロウ
ケンタロウ

んーん、それが正直なところ、自分が入っている保険なのによくわかってないんです。ただ勧められるままにっていう感じなので。お恥ずかしい話です。

FPハマヲ
FPハマヲ

それはケンタロウさんに限ったことではありません。おそらくほとんどの人はそんな感じでしょうな。保険商品のややこしさを考えれば無理もない話です。

ユウコ
ユウコ

でも、自分の入っている保険くらいちゃんと理解していないといけないですね。

キンタ
キンイチ

ひとつ基本的な質問なんですが、FPに入る手数料が高い保険が私たちにとって良くない保険だという理屈がよくわからないんですが・・。

サトル
サトル

確かに。そもそも手数料っていうのは保険会社がそれを売った人に・・つまり代理店とか自社の社員ならその歩合給として支払うものですよね。私たちが保険料の他に手数料を払うとかじゃなくて・・。

ケンタロウ
ケンタロウ

そうですよ。それって保険会社に限ったことではなくてどんな業界でも普通に行われていますよね。もちろんその手数料もコストとして計算されていて、商品の価格に含まれている。

FPハマヲ
FPハマヲ

皆さんさすがに長く社会人をやってこられただけあって世の中の仕組みを理解しておられる。しかしそんな皆さんでさえ気づかないところがこの罠の巧妙さなのです。

ユウコ
ユウコ

先生、そろそろ説明をお願いします。

FPハマヲ
FPハマヲ

わかりました。保険代理店やFP、そしてもちろん保険会社自体が積極的に勧める保険商品の共通点は《貯蓄型》です。つまり、掛け捨てではなく、満期や解約でお金が返ってくるタイプです。

そう言うとハマヲは次の資料を映し出した。

《保険会社が貯蓄型保険を勧める理由》

 ① 手数料(販売手数料・管理手数料)が高い

例えば、外貨建て終身保険の場合

→ 契約初年度に保険料の5〜15%が営業担当や代理店に支払われる。

→ その後も毎年運用管理手数料(年1〜2%)が徴収される。

 ② 解約しにくい長期契約なので加入者を囲い込むことができる。

→解約返戻金が早期は元本割れとなるため途中で解約しにくい。

→ 一度契約させれば、10年20年と保険料を払い続けてもらえるので、保険会社にとってはは安定収入となる。

③ 運用資金を確保できる預かった保険料は、国債、社債、不動産投資、外貨建て資産などで運用される。

→保険会社は契約者に返す返戻金以上の運用益を狙って稼ぐ。

→外貨建てなら為替差益+運用益+手数料の三重取りができる。

FPハマヲ
FPハマヲ

つまり、保険会社が貯蓄型保険を勧めるのは、自分たちが儲かる仕組みだからです。手数料で初年度に大きく稼ぎ、長期間の管理手数料で囲い込みをしてその期間の運用益も確保する。もちろんその儲けのもとは加入者が払っている保険料です。

ケンタロウ
ケンタロウ

そういえば・・、私の入っている保険はどれも、今解約すると元本割れだって聞きましたね。少なくともあと何年かは掛け続けないと損だって。

レイコ
レイコ

確かに言われてみればおかしい話ですよね。貯蓄型って言いながら払ったお金が減っていってるわけでしょ。

キンタ
キンイチ

でもちょっと待ってください。貯蓄型って言っても保険ですよね。支払ったお金のうちある程度は保険の補償に回ってるわけですから、少し目減りするのは仕方ないんじゃ。

レイコ
レイコ

あ、そっか。掛け捨ての保険に入ればそれなりのお金が出ていくわけだし。

ユウコ
ユウコ

そうよね。長期間解約しなければ払った分は確実に戻ってくるんだから、そんな悪い話じゃないように思うわね。しかもその間は保険の補償もついているわけだし。

サトル
サトル

そうなるとその保険の補償部分にどれくらい充てられているかっていうことも重要になってきますよね。それによっては目減りしている分も納得できるかも・・。

レイコ
レイコ

あー、なんだか良くわからなくなってきちゃった。保険ってややこしすぎる。

FPハマヲ
FPハマヲ

まさにそれが保険会社の狙いといえますな。貯蓄型保険はいわばブラックボックスですから、仕組みを理解するのは困難です。話が複雑になるとたいていの人は思考停止に陥ります。そこで条件のいい話を聞かされるとなぜか納得してしまう。あちらはセールスのプロですからそのあたりは巧みです。

ケンタロウ
ケンタロウ

あっ、それが無料相談が危険な理由ですね。無料の部分だけと思っても気が付いたら保険の契約をしてしまっている。

キンタ
キンイチ

しかもその保険は自分にとって良い保険だと信じ込んでいる。実際に自分でも貯蓄型保険に悪い印象は持っていませんでしたし。

サトル
サトル

ええ、正直言うと、この話を聞いても貯蓄型保険の何が悪いのか私にはよくわからないんです。

FPハマヲ
FPハマヲ

それは当然のことですな。誰もが簡単に理解できるようなら深刻な話ではありませんから・・、はて?ところでどうして私は貯蓄型保険の話をしているんでしたかな?

5人は一瞬言葉を無くしたが、そろそろこのパターンに慣れ始めていた。

ユウコ
ユウコ

FPの無料相談のお話で。

サトル
サトル

無料の罠のお話からだったと。

ケンタロウ
ケンタロウ

始まりは、このプロジェクトには裏はない・・みたいなことでした。

レイコ
レイコ

それでは先生のメリットは?という疑問からでした。

FPハマヲ
FPハマヲ

あー、そうでしたな。すっかり脱線してしまいました。

キンタ
キンイチ

でもとっても勉強になる脱線でした。

5人は同時にうなづいた。

FPハマヲ
FPハマヲ

それは何よりです。では改めてお答えしましょう。このプロジェクトについていえば・・というよりは、FPとしての活動で私は利益を得る必要はないのです。

サトル
サトル

ということは?

ケンタロウ
ケンタロウ

先生って、もしかして大富豪?

レイコ
レイコ

石油王?

FPハマヲ
FPハマヲ

大富豪でも石油王でもありませんが、たしかにFP以外の収入で生活できる状態ではあります。

ユウコ
ユウコ

それは・・とてもうらやましいですね。

キンタ
キンイチ

それは具体的にはどういう?

レイコ
レイコ

秘密ですか?

FPハマヲ
FPハマヲ

秘密というわけではありませんが、詳しいことはいずれ機会をみてお話しするとして、この「無料の罠」の話のポイントはビジネスの流れを考えれば危険を避けられるということです。

ユウコ
ユウコ

どういうことですか?

 

FPハマヲ
FPハマヲ

世の中にあふれる「無料」の中には、売る側の立場に立った時に理解できるものが多い。無料サンプル、無料お試し期間・・

ケンタロウ
ケンタロウ

餃子無料券!

サトル
サトル

あ、そうか。そう考えたときに説明のつかないものが危険というわけですね?

FPハマヲ
FPハマヲ

もちろんすべてがそうとは言いませんが、常にその視点を持つことは資産を守るためにとても大切なのです。

キンタ
キンイチ

それで、ハマヲ先生の場合はこのプロジェクトで利益を得る必要がないから危険ではないと。

FPハマヲ
FPハマヲ

はい。ですから安心して、それぞれの問題を地道に解決していってっほしいということですな。どうでしょう?これまでの説明でプロジェクトの意義はご理解いただけましたかな?

ユウコ
ユウコ

はい。そうですね!

サトル
サトル

アドラー的目的論で過去を変えて!

キンタ
キンイチ

年齢の概念を変えて、手遅れ感を撃退!

ケンタロウ
ケンタロウ

理解するだけではなく、常に行動を続ける!

レイコ
レイコ

そしていづれは大富豪!

その場が笑いに包まれた。

FPハマヲ
FPハマヲ

それでは皆さん、全員プロジェクトに参加ということでよろしいですかな?

5人は大きくうなずいた。

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