【定年後の選択肢】再雇用と再就職の違いに人生100年時代の働き方を考える。

【解説】還暦世代のためのお金の知識

人生にはいくつもの岐路があって、そこにはいくつかの選択肢が現れます。

60歳というという年齢を迎えるこれまでにも、数えきれない分かれ道で選択に迷い、そして決断をしてきたことでしょう。

入る部活、学ぶ分野、進む学校、就職先、結婚相手・・

FPハマヲ
FPハマヲ

何を選ぶかで、その後の人生が大きく変わるということは、誰もが実感しているでしょう。分かれ道での選択がどれほど重要なことかをあらためて感じます。

こんな選択はいったいいつまで続くのか・・と思いますが、まだまだずっと、おそらく一生続くのでしょう。

やれやれ。

そして実際、今も目の前に分かれ道があり、どちらを選ぶかという迷いの中にいたりします。そのひとつが・・

定年退職後の、再雇用と再就職

という問題です。

働き続ける60代

60歳の定年で会社を辞めてその後は悠々自適に・・という人は今や例外的になりました。

急激に減っている退職金、徐々にではあるものの確実に減っていく年金。それに若い世代の収入の低さも加わって、

定年の年齢を過ぎてもまだまだ働き続ける必要がある人がほとんどです。

FPハマヲ
FPハマヲ

令和3年時点の60歳から64歳の就業率は男性が80%以上、女性が60%以上となっています。

「高年齢者雇用安定法」の規定で、いま働いている会社で60歳以降も働き続けることは難しくはありません

高年齢者雇用安定法

少子高齢化が進む中、労働意欲を持つ高齢者が働き続けられるように、企業に対していろいろな義務を課した法律です。

2013年度から年金の受給開始年齢が65歳に引き上げられたタイミングで改正が行われて、65歳までの雇用」が義務となりました。

さらに、2021年から70歳までの就業確保(必ずしも同じ会社で雇用しなくてもよい)」が努力義務となり、これが「70歳定年制」に繋がるものと考えられています。

努力義務とは、法的な拘束力がなく罰則の対象とはなりませんが、企業は積極的に取り組まなければならないというものです。

定年退職後も働く続けられる権利を得たことはもちろん喜ぶべきことですが、ほとんどの場合は給与が減少してしまいます。

それではいっそのこと、定年退職を機に別の会社に就職しよう!

という人が多いかというと、現状はそんなことはないようです。

8割以上が「いまの会社」を選択

再雇用では給与が大幅に下がってしまうなら・・と、定年を機にこれまでのキャリアを活かして、いま働いている会社より条件のいい会ところへの転職を成功させる人もいます。

あるいは、かねてから興味を持っていたまったく別の業種にチャレンジする人もいる。

しかしそれは簡単なことではありません。

いま働いている会社より良い条件の就職先はあるの?新しい職場での人間関係はうまくいく?ましてや60歳を過ぎて新しいことを始めるなんて無謀なのでは?

そんな未知のものに対する不安はとても大きい。

FPハマヲ
FPハマヲ

実際、60歳以降も働いている人のうちの80%以上が、いまの会社での再雇用を選択しています。

その気持ちはよくわかります。

再雇用で提示された給与や待遇面には不満があるものの、慣れた職場で慣れた人たちと働くことの安心感の方が優先されるからでしょう。

60歳を過ぎて、新しい場所で見知らぬ人たちと一から関係を作る・・なんてゾッとする、という人も多いと思います。

しかも、再雇用より条件の良い再就職先が見つかるかどうかも分からないわけですから、この状況は当然といえます。

ただここで、あえて違う視点から60歳以降の働き方について考えてみましょう。

定年はチャレンジの機会

長寿化が進み健康年齢も伸びる中、雇用環境も大きく変わることが予想されています。いまこそ、働き方そのものを根本的に見直すべきだという考えもあります。

人生100年時代の働き方について論じたベストセラー『ワークシフト・孤独と貧困から自由になる働き方の未来図』の中で著者はこう言っています。

●社会が劇的に変化する中、新しい雇用環境に合わせたキャリアの再設計が必要である。

 

●高齢者でも新しいスキルを習得することで職場での価値を高めることができ、セカンドキャリアの機会を広げることができる。

 

●退職後の生活をより充実させるためには、セカンドキャリアを計画し、自分の興味やスキルに合った分野での再就職を考える必要がある。

そういう視点で見れば、確かに定年はチャレンジのための絶好の機会なのかもしれません。

再雇用と再就職まとめ

定年後再雇用と再就職の違いについてまとめてみましょう。

定年後再雇用

【雇用形態】 現在の会社で定年退職後も継続して働く。
【契約内容】 再雇用契約を結び直し、通常は短期的な契約(1年ごとの嘱託など)になる。
【給与】   定年前より減少することが多いが、経験やスキルが考慮される場合もある。
【仕事内容】 以前の職務や経験を生かした仕事を続けることが多い。
【メリット】 慣れた環境(職務内容や人)で働ける。

 

再就職

【雇用形態】 定年退職後に新たな会社に就職する。
【契約内容】 新しい会社との雇用契約を結ぶので、契約内容や期間は会社によって異なる。
【給与】   新しい会社の給与体系に基づくため、前職と比べて大きく変わることがある。
【仕事内容】 新しい会社の業務内容や役割に適応する必要がある。前職の経験が直接活かせない場合もある。
【メリット】 新しい環境でのチャレンジ、スキルアップの機会、興味のある分野で働ける可能性がある。

これらの違いを考慮して、どちらが自分の特性やライフスタイル、キャリアプランに合っているかを判断することが重要です。

人生に無数にある他の選択と同じで、何を選ぶかに正解はありません。答えは最後の最後まで分からないのです。

重要なのは自分の頭で考えて自分で決めることではないでしょうか?

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