長寿をリスクにしないために、還暦視点で読む「100年時代の人生戦略」

読書 人生100年時代

人生100年といわれる時代です。

人生が長くなることは喜ぶべきことですが、この長寿化を厄災ととらえる意見も多く聞かれます。足りない老後資金、衰えた体で生きる苦痛に満ちた日々。そんな不幸な老人があふれる暗い社会。

長生きなどしたくない!そんなことなら死んでしまった方がいい!

そんな風にあきらめる前に読んでほしい本があります。そこには私たち還暦世代が長寿化を恩恵にするためのヒントがあふれています。

書籍「LIFE SHIFT」が語る未来とは

ベストセラーとなった『LIFE SHIFT(ライフシフト)』の序章は次のように始まります。

私たちはいま途方もない変化のただなかにいるが、それに対して準備ができている人はほとんどいない。その変化は、正しく理解した人には大きな恩恵をもたらす半面、目を背けて準備を怠った人には不幸の種になる

警告めいたちょっと怖い言葉ですね。

著者はリンダ・グラットンとアンドリュー・スコット。ロンドンビジネススクールの教授ふたりによる共著です。

外国の人が書いた本を読むとき、どうも私たち日本人の感覚や日本社会の現状にそぐわないというか、何となくしっくりこない感じがすることも多い。

そこでまず、訳者・池村千秋さんによる「日本語版への序文」を見ながら、この本の全体像について考えてみましょう。

途方もない変化とは?世の中はどう変わるのか?

平均寿命という点で世界のトップに立っている日本。国連の推計によると、2050年までに日本の100歳以上人口は100万人を突破するといいます。

この本が出版された2016年の時点で6万1000人とされていることを考えると、その増加の勢いはかなりのものですね。

そして、2007年に日本で生まれた人、つまり私たちの子供の世代の半分は107年以上生きるとも言われています。ちなみにアメリカ・イタリア・フランス・カナダが104歳、イギリス103歳、ドイツが102歳。日本がトップではあるものの、この「長寿化」は世界的な傾向だということです。

さてここで、これを恩恵ととらえ歓迎するのか、それとも厄災とみて恐れるのか?という話になります。

他のどの国にも先駆けて新しい現実を突きつけられている日本。老後2000万円問題で騒然となった年金制度への不安、増大し続ける医療費、 老々介護の現実など、「長生きリスク」という言葉が示す通り、長寿化のマイナス面ばかりが話題にされている感じがします。

それは、国の制度のほとんどはこんな長寿社会を想定して作られていないからなのでしょう。

政府としてもこれに対応するために数々の施策を実行に移してはいますが、それを頼りにのんびり構えている場合ではないようです。

この「途方もない変化」の局面でもっとも大きく変わることが求められているのは私たち個人なのだ。

これがこの本の著者がいちばん伝えたいメッセージのようです。

変わるためにはまずは現実と向き合う必要がある

この急激な社会環境の変化の中で、私たちが大きく変わるためにまず認識しなければならないことは何でしょう。

それは、「お手本がない」ということ。

過去のモデルが役に立たない状況のなか、私たちには自分の親の世代とは違う考え方が求められていて、お手本がないままに自分で選択や決断をしなければならないというわけです。

終身雇用や年功序列が当たり前ではなくなりつつあることはだいぶ前から言われていたことですが、その変化が加速度的に早まっていることを実感している人も多いと思う。

退職金の額は年々減り続け、大企業ですら大規模なリストラを行っている。定年後は退職金と年金で悠々と暮らすというモデルは、ほとんどの人にとっては実現しない過去の幻のです。

まずはこの現実を受け入れるしかありません。

その現実を目の前にした私たちは今からどう考え、どう生きればいいのか?

長生きを厄災ではなく恩恵にするためにはどのように人生を築くべきか?

この本はそれを考える手引きとして書かれているといってもいい。

還暦世代の私たちがすべきことは?

日本語版への序文は、日本に暮らす私たちへの期待を込めてこんな言葉で締めくくられています。

活力と生産性を維持して長い人生を送り、人生の途中で変身を遂げることの重要性を実証するという面でも世界の先頭に立ってほしい

今まで漠然と描いてきた自分が年老いたときの暮らしはおそらく存在しません。私たち還暦世代は、途中で目的地を変更された旅人のようにも思えます。

「ライフシフト」の本編では、いくつかの重要なテーマに沿ってこれからの世界が語られていく。

「若さ・老いの概念を変える」
「目に見えない資産に着目する」
「人生に新しい選択肢があることを知る」
「自らを変身させる必要がある」

人生の岐路に立つ還暦世代の私たちが、いま何を考え、これからをどう生きなければならないのか?目の前に提示される選択肢に向き合って自ら決めていくしかないのでしょう。

まとめ

ベストセラーとなった『LIFE SHIFT(ライフシフト)100年時代の人生戦略』の
「日本語版への序文」を見ながら、その全体像について考えてみました。

警告のように聞こえる「途方もない変化」が現実だということは誰もが感じていることでしょう。私たちの親の世代と同じような老後が用意されていないことは、年金や退職金の現状からみても間違いありません。

 

本来なら喜ぶべき長生きをリスクにしないために、私たち還暦世代こそが、この「ライフシフト」からのメッセージを受け止めて、これからも活力と生産性を維持し、人生の途中で変化を遂げることを恐れないことが必要なのでしょう。

「ライフシフト」の本編では、予測できる雇用の未来やそれに沿った資金計画、そして家族の在り方などについての具体的な提案が数多くしめされています。

お手本の無い私たちのこれからの生き方が次の世代のお手本になる。それは素晴らしいことではないでしょうか。

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