「年金は保険である」受給開始年齢の今だからこそ知っておきたい年金の基礎知識

社会制度

令和4年の4月から年金制度が改正されました。

私たち還暦世代にとってはもはや他人事ではない、いや、すでに当事者そのものといってもいいこの年金制度の改正ですが、改正うんぬんの前に、そもそも年金ってよくわからないですよね。

若い頃は年金と聞いても、それは遠い未来の話でした。

何十年も先のことに真剣に向き合うことができる若者はほとんどいませんから、年金というのは、ただ自分の収入から貴重なお金を奪っていくものだったのです。

会社員は給料から天引きされる金額に腹を立て、自営業者の中には未払いで届く督促状に悩まされていただけの人もいたことでしょう。

考えてみれば無理もありません。時には不祥事報道が世間を賑わし、破綻説まで聞こえてくるこの年金。遠い将来、しかも貰えるかどうかも分からないお金より、今払わされている金額のほうが我が事なのです。

しかし時は流れ還暦世代になった現在、年金受給は我が事となりました。

少子高齢化を理由にその維持が危ぶまれているこの年金制度は、はたして私たちの老後の支えになるのでしょうか?受給金額は今後どのように推移していくのでしょうか?

受給年齢にさしかかり、今度はもらう側の立場として深刻で漠然とした不安を生むものにもなってきてるこの年金。

めんどくささに負けず、ややこしさを乗り越えて向き合ってみると、今まで見えなかったものが見えてきました。

不安を生む年金のイメージ

「歳をとったら国からお金をもらって、働けなくなってからはそのお金で何とか生きていく」というのが年金のイメージです。

その為にかなりの金額を納めているとなると、多くの人が同じ思いを抱くことになります。

こんなに苦労して支払ったお金は、はたしてどれだけ取り戻せるのか?

もしも年金をもらう年齢になる前に死んでしまったら?

もらい始めたとしても、わずか数年で死んでしまったら?

年金は強制加入なので入らないという選択肢はありません。とはいえ、こんな疑問を抱えたままでは不安は膨らむばかりです。

不安のもとになるのは知識不足であることが多い。不安だけどよくわからない。だからどんどん不安になるという感じではないでしょうか。

詳しく知ることが不安解消の第一歩なのでしょう。

知らなかった!年金でもらえる3つのお金

年金という言葉からイメージするのはやはり、年を取ってからもらえるお金です。しかしそれ以外にもいろいろな保証があるのを知らない人も多い。

年金の保証は大きく分けて3つあります。

①老齢年金 ②遺族年金 ③障害年金

  1. 老齢年金・・歳をとってからもらえるお金。(基本的には65歳から)
  2. 遺族年金・・自分が死んだとき、家族が受け取れるお金。
  3. 障害年金・・自分が怪我や病気で働けなくなったときにもらえるお金。

もちろん、どの場合も支払われる金額は保険料を支払った期間や金額によって変わります。そして遺族年金はその時の家族構成などによっても補償内容が大きく変わる。

いずれにしても、この3つの保証がセットになったのが、年金制度というものなのです。老齢年金しか意識になかったなら、意外に感じたかもしれません。

そしてここで気づくことがあります。こんな感じの保証がセットになったものが他にもあるではないかと。

それは「保険」です。いま、多くの人がいくつかの保険に加入しています。生命保険、医療保険、損害保険。年金はそういった保険と基本的には同じなのです。

そういえば、私たちが長いあいだ支払っているのは、「年金保険料」という名前であり、加入している私たちは「被保険者」と呼ばれていますね。

年金は保険だったのです。

知っていた人にとっては当たり前なのでしょうが、そういう感覚をもっていなかったとしても不思議ではありません。国民年金とか厚生年金とは言いますが、「国民年金保険」とは呼ばないのですから。

年金を貯金のように考えていたのなら、考え方を大きく変える必要があります。

なぜなら、自分が年老いてから貰うお金を半ば強制的に貯めさせられているという感覚が、「どれだけ取り戻せるのか?」というモヤモヤを生んでいたからです。

自ら入っている生命保険や損害保険には「払い損」というような意識はないはずです。結果的には無駄になるかもしれないし、実際ほとんどの場合は払った以上のお金を受け取ることはありません。

しかし、それが保険というものなのだから仕方がないと納得できるのです。

年金がカバーするいちばん大きなリスク

年金は保険であるという認識で、年金について考えてみましょう。

そもそも保険とは、たぶん起こらないけれど、もしも起きたら大変なことになるという事態に備えて入るもの。

安心を買うという言い方をするのはそういうことだからでしょう。

では、この年金という名の保険に入っている私たちにとって、もしも起きたら大変な事態とは何でしょう?

もちろん、若くして亡くなることも、ケガや病気で働けなくなることも大きなリスクには違いありません。そのために多くの人が何かしらの生命保険や医療保険に入っているのです。

しかしそういう保険でカバーしきれないリスクもあります。

それが、「長生きのリスク」です。

もしも長生きしてしまったらどうする?という妙なリスクですが、想像してみればわかるとおり、それはたしかにリスクといえます。

歳をとって働けなくなって、それでもまだ生きていたら生活費はどうする?蓄えのないままそんな状況に置かれることを考えたら恐怖すら感じます。

本来なら喜ぶべき長生きがリスクになるなんて悲しい。だからそんなことにならないようにと生まれたのが年金という名の保険なのです。

まとめ

自分自身が受給する立場に近づくと、年金についての不安も大きくなってきます。

しかし、年金が持っている保証の内容を確認したり、年金の本質的な意味を考えたりすることで、だいぶ見方を変えることもできるのです。

「年金は保険である」そう考えると、払い損とか元が取れないとかいう悶々とした気持ちも少しは薄らいでいくのではないでしょうか。

そうすれば、今まで払ってきた保険料にも納得ができて、これから払う場合も気持ちよく払えそうな気がします。いずれにせよ強制加入なのですから、文句を言いながら払うよりは気持ちよく払って、「長生きリスク」に備えたいものですね。

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